花木英典のブログ

映画、筋トレ、ランニングについての備忘録

モディリアーニの映画2本/20100322

昨日は、24H勤務明けの非番。画家モディリアーニの生涯を描いた映画を2本、DVDで鑑賞した。
 1本目は、『モンパルナスの灯』(1958年フランス映画、ジャック・ベッケル監督)
 この映画は、あるマイミクさんが、だいぶ前に日記で紹介していたので知った。そのマイミクさんはモディリアーニ役のジェラール・フィリップを礼賛していたが、僕がなぜ見てみようと思ったかと言えば、ジェラール・フィリップに関心があったのではなく、モディリアーニの内縁の妻ジャンヌ役で、アヌーク・エーメが出演していたのを知ったからだ。
 中学生の時、これまたフランス映画、『男と女』を見て以来、アヌーク・エーメは僕にとって美の象徴、(永遠の)憧れの女性になっているので、見ないわけにはいかない。
 でも見る時間をなかなか作れなくて、先延ばしにしていたら、また別のマイミクさんが、フェリーニの『8 1/2』を見たとボイスでつぶやいて、どれどれちょっとフェリーニ調べてみたら、アヌーク・エーメ出てるやん!!
 (『モンパルナスの灯』を紹介していたマイミクさんも、フェリーニの『道』のことをまた別の日記に書いているし、今、フェリーニきてるのか?再ブームなのかな。『NINE』も公開されているし。今、手元に新宿K's cinemaの「FELLINI! FELLINI!」のチラシがあるが、「祝フェリーニ生誕90年!」と書いてある。アヌーク・エーメ、『甘い生活』にも出ている!フェリーニの作品は『青春群像』しか見たことないし、フェリーニ三昧といきたいところだが、残念ながら時間がない。)
 なんかぐちゃぐちゃ書いているが、このように、妙な符合が重なり合って、とにかく鑑賞してみたと言いたかったわけです。
【感想】
 ジェラール・フィリップは、最初、写真で見た時、井上順とルパン3世を足して2で割ったような顔してるなあと思ったけど、飛んだ見当ちがいをしていた。男前だわ、これは。端正な面持ちで、精悍さもあり、どこか弱く儚げなところもある。女性が惚れてしまうのがわかるような気がした。さすが1950年代のフランス映画界の二枚目スター。これが60年代のアラン・ドロンになると、もっと鋭角的というか、確かに男前だけどカミソリみたいな感じで、ちょっと近寄りがたい印象を持つけど、ジェラール・フィリップには、それはない。彼はこの映画の1年後、モディリアーニと一緒の36年の生涯を閉じるわけですが、なんかちょっと勿体ないというか、惜しいなあ。
 アヌーク・エーメへの思い入れは別として、一番インパクトがあり、印象に残ったのは、画商役のリノ・ヴァンチュラでした。
モディリアーニが死んだあと、すぐさま彼のアパートメントを訪ねて、モディリアーニの作品を買い漁るさまは、死肉に群がる禿鷹、死の商人みたいでおぞましかったが、凄味があった。

モンパルナスの灯 Blu-ray

 2本目は、『モディリアーニ 真実の愛』(2004年、ミック・デイヴィス監督)
【感想】
 モディリアーニ役のアンディ・ガルシアが、ラテン系の血色のいいナイスガイというイメージで、病で死にそうな感じが最初はしなくてどうなんだろ?と、最初は思ったけど、段々モディリアーニそのものに見えてくるのが不思議だった。
 『モンパルナスの灯』が、モディリアーニとその内縁の妻、ジャンヌとの困窮の生活のなかでの二人の愛をほぼ中心にして描いているだけなのに対し、こちらはもちろん二人の関係が作品の主軸だけど、それ以外にも、1920年代の狂乱の時代のパリ、モンパルナスの芸術家たちの生活風景が良く描かれていたと思う。ピカソユトリロ、バスキン、ジャン・コクトー、マックス・ジャコブ等々、そうそうたる顔ぶれが映画の中に出てくる。ルノワールまで出てくる。
 劇中、モディリアーニピカソがライバル関係で二人は激しく衝突する。そこが見ていてとても面白かった。ピカソは押しも押されぬ巨匠として、すでに名声と富を得ているが、ピカソにとって、モディリアーニは無視できない、看過できない存在だったらしい。ピカソは臨終の際、
「・・・モディリアーニ(ガクッ)」
と、つぶやいて死んだらしい。
 ライバル同士で、会えば取っ組み合いのケンカしそうなくらい仲の悪いふたりが、一緒に自動車に乗って、郊外の年老いたルノアールの邸宅を訪れるシーンあった。二人ともルノアールに対しては、一人の先輩大画家として尊敬してたみたいで、興味深かった。
 モディリアーニの内縁の妻、ジャンヌ役をエルザ・ジルベルスタインが演じているのには、びっくりした。先月鑑賞したフランス映画、『ずっとあなたを愛してる』で、ほぼ主役の妹、レア役をやっていた人じゃないですか!!
 でも彼女の顔立ち、表情、シルエットがモディリアーニの描く肖像画の女性にすごく似ていた。
 この映画は、ジャンヌの最期まで描き切っていた。やはり普通の人ならあの最期はつらい、いたたまれないよ。モディリアーニのあとを追って、飛び降り自殺するのは。妊娠9カ月で。

モディリアーニ 真実の愛 [DVD]